張家界・鳳凰
1回目:2006年5月 (2回目はこちら)
仕事の関係で10名の仲間(日本人は3名)と張家界を旅行した。張家界は1992年に「武陵源」の名前で世界自然遺産に登録されている。中国にある4つの自然遺産のうちのひとつで前から是非行ってみたいと思っていた所。やっと夢が叶った。
木曜日の夜、南京での仕事を終え夜行便で張家界へ。出迎えのガイドは地元の少数民族「土家族」の青年。判り易い中国語だが私の実力では半分聞き取るのがやっと。マイクロバスに乗り15分でホテル着。蒸し暑い。昼間の最高気温は35度だったとのこと。
今回は前半が猛洞河川下りと鳳凰古城観光、後半が本命の張家界(武陵源)観光だ。
朝9時出発。狭くて乗り心地に悪いマイクロバスに揺られ2時間半で猛洞河に到着。ガイドが「全身ずぶ濡れになるから覚悟して」と言う。急拠、雨具とサンダル、眼鏡止め一式を10元で買って服をガードしたが、ガイドは殆ど意味がないと言う。筏風のゴムボートに乗って川下り(中国語で「漂流」と言う)を開始。最初は流れは緩やか。途中でお兄さんが舟で近付いてきて水鉄砲やらバケツを買えと勧める。何に使うのかと思って前を見たら、ボート同士で水の掛け合い合戦をやっている。激戦で皆ずぶ濡れ。我々の舟は参戦を回避しようとしたが一緒に乗った小姐3人が戦闘を仕掛け・・・、水鉄砲売りのお兄さんの策略にまんまと嵌まる。(以下、写真の下に続く・・・)
3時間以上の川下りで、後半はみな戦闘に飽きたのと河が急流になったことで本来の川下りを楽しむ。上半身は水掛け戦争、下半身は川下りのしぶきで、結局、雨具の甲斐なく全部濡れてしまった。川下りが長引き2時過ぎに芙蓉鎮という所で昼食。この付近は大部分が少数民族で漢族は20%とのこと。土家族語で、女性は「アーメン」、男性は「アーグ」と言うとガイドから聞いて、食事の時に皆で係員を「アーメン、アーメン」と呼んでみた。食後、街をブラブラする。街中で中国に来て初めて「人民公社」の看板を見つけた。
次の目的地の鳳凰に向かう車窓には田園風景が広がる。この辺りは棚田が多い。今は田植えの季節。機械は無く牛と人手で作業。途中、昔は殆どの住民が強盗だったと言う物騒な町:吉首県や有名な白酒「酒鬼」の工場脇を通って、3時間半かけて鳳凰に到着。夕食後、鳳凰古城夜景を観光。古い街並みと城壁がライトアップされ、沱江に映る光景は絶品だ。沱江にある跳石を伝って対岸の酒場(酒吧)へ。皆で酒を酌み交わし暫し夜景に見とれた。
土曜日、鳳凰古城を観光。鳳凰は湖南省の西部に位置し明清時代の古い街並みは残る古城。周囲を青い山々に囲まれ、町の真ん中を「沱江」が悠々と流れている。地元苗族の作家「瀋従文」の小説「辺城」の映画が80年代に大ヒットしたこともあり中国人には有名な所らしいが、日本人は殆ど見掛けない。私も今回初めて知った。ただ、地球の歩き方の最新号(06~07)に鳳凰の特集が載っているので今後は日本人が押し寄せるかも。九寨溝の様に俗化する前に行けたのは嬉しい。
石畳の路地の両側には商店が並び活気に溢れている。苗族の女性が手作りの土産物を売っている。また「姜糖」と呼ばれる生姜飴(砂糖菓子)を独特の延ばし方で作っている店も有る。何個か土産に買った(1個3元)。橋のたもとから小舟に乗って沱江をゆっくり遊覧。両岸には、半分位が川に突き出ているこの地方独特の木造の家が見え、畔では女性達が川で洗濯をしている。対岸からは若い女性の歌う民謡の声が聞こえてくる(これは観光用)。次に「虹橋(沱江にかかる大きな石橋)」の上に建つ「風雨楼」へ。ここからの眺めは特に素晴らしい。鳳凰の紹介写真としてよく使われるとのこと。河沿いには堤防代わりの城壁が続き、これに並行して豪商の邸宅が並ぶ「老菜街」がある。この後、「東門城楼」「瀋従文故居」「楊家祠堂」「熊希齢故居」を見てまわり、昼食後、車で張家界へ戻る。
日曜日、張家界観光の第1日目。天気は晴れ、やや霞がかかっている。ロープウェイで「黄石寨」へ。最新式の設備で3つの黄色いゴンドラがセットで一緒に動く。怖がる時間も無いくらい早く終点に到着。「黄石寨」は切り立った山の上かと思ったら案外平坦で誰でも歩ける。「六奇閣」「摘星台」と歩き、「琵琶渓」「五指峰」を見てまわる。黄山とも違う、桂林とも違う独特の奇景にただ圧倒される。言葉で説明するより写真を見て貰った方が早いが、実際は写真以上に凄い。
午後は「金鞭渓」へ。渓谷に沿ったハイキングコースを「水繞四門」まで2時間散策。途中、「金鞭岩」「紫草潭」「千里相会」を見て回る。武陵源が黄山と違うのは、緑と水が多いことだ。この後、車で「宝峰湖」へ行き、小舟で湖上を遊覧した。
月曜日。張家界観光の第2日目。絶好の天気で霞も無い。今日は「天子山」方面へ。先ず、観光電車に乗って「十里画廊」へ。ここから見る景色は圧巻でその名の通り一面画廊の様だ。持ってきた一眼レフで写真を撮りまくる。この後、ロープウェイで「賀龍公園」へ登り、ここから、「御筆峰」「仙女献花」等を見る。下山後、時間が余ったので、有志で「龍王洞」を観光した。最後の夕食は皆で盛り上がった。白酒も入り、店の「アーメン」(土家族の女性店員)と記念写真。盛り上がっている最中、私は皆と別れ一人空港へ。深夜に北京に戻った。
<スケジュール>
木曜日 南京->張家界 MU2707(20:40-22:00) [張家界泊]民航旅游山庄
金曜日 猛洞河川下り。土家族の村:芙蓉鎮で昼食&観光。専用車で鳳凰へ(3.5H)。夕食後 鳳凰古城の夜景観光。[鳳凰泊]暁園賓館
土曜日 鳳凰古城観光(沱江遊覧,虹橋風雨楼,東門城楼,瀋従文故居,楊家祠堂,熊希齢故居) 専用車で張家界へ。[張家界泊]民航旅游山庄
日曜日 武陵源観光 「黄石寨」(摘星台六奇閣・琵琶渓・五指峰) 「金鞭渓」(金鞭岩・紫草潭・千里相会・水繞四門)、宝峰湖上遊覧 [張家界泊]武陵源賓館
月曜日 張家界「武陵源」観光 「天子山」(賀龍公園・御筆峰・仙女献花・十里画廊)
「龍王洞」観光、買物タイム、夕食後空港へ。 張家界->北京 CA1384(21:40-23:55)